1960年代頃のデンマーク製ネストテーブル
最初に見た時、すっきりとしたデザインで綺麗だな、というくらいの印象だったのですが
じっくりと眺めていくうちに、細部まで本当に美しく、素晴らしい造りに心を奪われました。
まず、細い。太さ2㎝角の脚部。後ろ脚同士を繋ぐ貫部に至っては僅か5㎜という薄さ。
ここまで華奢なシルエットを可能にするためには、堅牢なローズウッド材を使用するより他はなかったのかもしれません。
その脚を繋ぐ貫は、強度を考えると通常は脚の中心に配置するのでしょうが、この僅か5㎜幅の貫は脚の中心ではなく端に寄せて配置され、これも各テーブルを収めた際にテーブルがはみ出ることなくぴったりと収まるための、シルエットにこだわった徹底した工夫なのだろうと考えられます。
ただ華奢なだけには終わりません。
天板四方の淵部や脚部の対角には溝が切られ、輪郭が強調されています。
床に設置する脚部の先端はなめらかな曲面にて仕上げられ、軽さの中にも堂々とした重厚感すら感じられるよう。
天板の嵌め方にもさり気ない意匠が取り入れられ、そしてそれら全てが杢目豊かな良質なローズウッド材のみで構成されているという。
おそらくこのネストテーブルには、もう一台のテーブル(おそらく一番小さな)が存在していたのかもしれませんが、それを踏まえても十分に美しいデザインを楽しんで頂けると思います。
Condition
木部は脚先に至るまで全体を洗浄・研磨後、オイルとワックスにて再仕上を行いました。
小さいテーブル天板に若干の擦り傷、焦げ跡(のような打痕のような)が残っていますが、雰囲気を損ねるほどではなくヴィンテージとしては良好なコンディションだと思います。
より詳細のコンディションについてを希望される場合にはご案内いたしますのでお問い合わせ下さいませ。