デンマーク製 美しいアノニマスチェアです
さも彫刻的なこの背凭れの造形美。細身の構造に徹した全体のシルエット。
メジャーなところではNils. O. MollerやJohanes Andersen、 マニアックなところではH.W. Klein (ヘンリーウォルタークレイン)や Kai Lyngfeldt-Larsen(カイ・リンフェルド・ラーセン)などの作品を想起しますが、結局判りませんでした。
後ろから眺めた際の背凭れに差し込む光と影。この立体的な曲面によって一見すると肉厚なようでいて、でも実はやっぱり細く華奢なフレームは軽く、そして掴みやすい。ゆったりと座れるアームチェアですが、テーブルに合わせてその真価を発揮するかもしれません。
背凭れ正面は体のラインに沿うように緩やかな曲面で仕上げられている。この椅子にはもしかすると一切の平面は存在しないのかもしれません。縦横と切り返したチーク材木目の輝きもついつい眺めてしまいます。
柔らかな曲線を描いた細身の肘掛。私個人的にアームチェアで一番こだわりたいのは指先の感触かもしれません。
腕を預けた際に、指先の置き場所がないと案外落ち着かないものです。僅かに膨らみを持たせたアームの先端は気が付いたらついつい撫でていたくなる。些事ですが、大事であります。
背凭れやアームなど、美しいチークの木目が随所に現れていました。美しい反面複雑な木目はサンディング泣かせでもありますが、こだわって仕上げました。是非ご覧頂きたいポイントです。
シート内部ウレタンクッションは新規に交換しました。
ファブリックにはDAW社(Danish Art Weaving社) からEDINBURGHという柔らかなウール100%の生地を採用。生地には再生ウールを取り入れて、伝統を守りながらも並行して現代や将来への課題ともきちんと向き合った企業の姿勢こそを私たちリペアや販売をする立場として評価して皆様に伝えていきたいと考えています。
色は濃いグリーンです。
Condition
チーク材を使用した木部は古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を済ませました。
パーフェクトコンディションです。
シート内部は板座の上にクッションを載せてファブリックでカバーしています。沈み込みのないしっかりと座れる印象です。奥行きは然程深くありませんが座面の幅が広く、寛いで座る時にはアームに体ごとを傾ける座り方がお勧めです。