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【Column1】家具の仕上げ / オイルフィニッシュについて。その1


木製家具の塗装仕上げとは、木材(家具)を保護しその美観を向上させる目的で行われている。


古より自然由来の塗装方法も多く、また現代においては技術の発展に伴い機能性や意匠性さらにはコストパフォーマンスを高めた様々な化学塗料も存在している。

その中で私たちは「オイルフィニッシュ(オイル仕上げ、オイル塗装)」を家具仕上げのメインに採用しています。


こちらのコラムでは

1・オイルフィニッシュとはどのような仕上げ方法か

2・私たちが行っているオイル仕上げについて

3・なぜオイルフィニッシュ、オイル塗装を選んでいるのか

という内容で3回にわけてお話をしていきたいと思います。



1・オイルフィニッシュとはどのような仕上げ方法か


▶定義


簡単に紹介をすると「植物性油脂(乾性油)を木材に浸透・木材内部で硬化・定着させることで材を保護し、木材が本来備えているしっとりとした艶のある美しさを表現する塗装方法」である。


表面に薄い膜を形成する場合もあるが、厚い皮膜で覆う塗装と比べて格段に木の質感そのままを楽しむことが出来ること、また木の呼吸を妨げない(調湿効果)ことなど、家具をはじめ内装仕上げとして好まれています。



それでは長くならないように気をつけながら、ほんの少しだけ詳しくご紹介をしていきます。



まず乾性油という少し聞き慣れない言葉がありました。

乾性油とは読んで字の如く乾燥する性質を備えた油のこと。代表的なものに亜麻仁油、えごま油などがある。

一方で半乾性油や不乾性油という油も存在する。それらは乾燥しにくい、もしくは乾燥しない油のことを指す。


それぞれを判断する基準としては油に含まれるヨウ素の量(ヨウ素価)をみる。ヨウ素価130以上で乾性油、100〜130は半乾性油、100以下で不乾性油と分類される。このヨウ素価の値が大きいほど、脂肪酸の不飽和度が高くなる=二重結合の数が多くなる。

つまり酸化しやすくなる=固まりやすくなるということ。




▶材を保護する


次に材を保護するというその目的について考えたい。

材を保護する、と言っても場合によっては傷から保護する目的もあれば紫外線や熱、また害虫や菌から保護をする目的もあるだろう。

その中でもこのオイル塗装では主に「水の侵入を防ぐ」ことを目的としている。

(つまりは耐水性と耐汚性を目的とする。水が浸入しない=汚れが侵入しないということ。水や汚れは表面の付着までで止める)



簡単にイメージをしていこうと思うが、ご存知の通り水と油は相容れない。

例えば水と油をコップに注ぐとそれらは混ざること無く分離する。水が下に沈み、油が上に浮かぶ。

これは分子の比重が違うために起こる現象である。水の比重を1とした時の油の比重は(種類によるが)およそ0.9前後。水の分子よりも油の分子の方が小さい。


またさらに木材とは元々は生きていた木であり、成長過程において必要であった水や酸素を送るための導管や木を支えるための木繊維から構成されている。

全ての生命体と同じように、木も元来は水を含んでいるのだが材として利用するにあたっては狂い難くなるように、そして扱いやすくなるように適当な水分含有量まで乾燥させてから材として利用されている。


そのため、木材には導管や繊維組織の間に水や汚れが浸入できるだけの空間が無数に存在しているのであるが、分子の小さな油を塗布することで水でさえ入り込めないような小さな隙間にも予め油を充填させておくことができる。

乾性油を使用することで木材内部小さな隙間に浸入した後で、自然乾燥によって硬化した脂は定着・安定する。

液体から固体へ(油から脂へ)と変化することで、水を弾き、汚れの侵入を防ぐようになる。


これが自然塗装と言われているオイル仕上げの、ざっくりと基本的な性質と自然のメカニズムである。



▶ちなみに


家具の仕上げ方法をご案内する際に「オイル仕上げ」と「オイルステイン」を混同されている方が時々いらっしゃいます。

ステインとは歯磨き粉のCMで結構耳にしますが意味としては(着色)汚れのことです!

つまりオイルステインは着色剤のことを指し、基本的に保護性能はありません!(上塗りを施さないと色抜け色移りしますので注意!)

オイル仕上げは保護塗装のことです!



▶脱線


話が脱線しますが、不飽和脂肪酸とか亜麻仁油、エゴマ油とか聞くと、オレイン酸とかリノレン酸とか必須脂肪酸とか何か健康に良さそうなイメージが湧きます。関係ないのかもしれませんが、でもきっと何か関係があるような気がしている。人体に良いものは木にとっても良い。そんなことを考えると生命体としての共感が起こるというか何かその原理についてを考えてしまいます。


食品メーカーさんのウェブサイトとかみると油について詳しく書いてあるので結構面白いですよ。



▶まとめ


オイルフィニッシュを理解するための大切な要点はとりあえずこの3つです。


1・木材を保護し美観を表現する仕上げ塗装であること

2・乾性油を使用する(浸透させた油を乾燥により硬化させるということ)

3・水>油>空気(水は通さないが空気は通します)


以上、オイルフィニッシュについての概略みたいな話でした。


次回はお店で採用しているオイル塗料や仕上げ方法についてのお話しです。

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