
「デンマーク近代家具デザインの父」と評されるKaare Klintによるアームチェア
この椅子はFritz Hansenとの協同で1936年に自身が設計を担当したベツレヘム教会のためにデザインされました。
デザインされた当初は教会用の椅子として、背凭れに聖書を収める棚が付いたモデルや、横に並ぶ椅子同士を連結出来るモデルなども作られていましたが、より安楽性を高めたアームのついたモデルや家庭での使用を目的に(ペーパーコード編みの座面ではなく)クッションを内包した布張りのモデルなど徐々にバリエーション豊かに製造されていき、Fritz Hansenとの協同を終える2004年まで60年以上にも及ぶロングセラー製品となりました。(以降はFredericiaが引き継ぐ)
「古代は我々よりももっとモダンである」
近代化のもと斬新で真新しいデザインが注目される中で、過去の歴史や様式に目を向けてその時代に見合うよう再構成していく、リ・デザインの手法は後進のデザイナーたちに大きな影響を与えた。この椅子もアメリカのシェーカー様式や18世紀のオランダのデザイン様式を見て取ることが出来る。簡素、簡潔であるが細部にこだわることで優美な佇まいがしっかりと両立されている。言わずと知れた名作椅子の一つである。
今回ペーパーコード編みのモデルではなく布張りのモデル。色や質感など悩みましたが、ヤコブセンスイートでも使用されているDanish Art Weaving 社のRoyal を使用しました。デザイナーは違えどもFritz Hansen社の家具との相性はやはり良いようです。
Condition
ビーチ材を使用した木部フレームは一度古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を施しました。
小傷程度は見つけることも出来ますが大きく雰囲気を損ねるほどのダメージはなく良いコンディションです。
シートを支えるベルトには伸びにくい綿ベルトを採用しました。沈み込みは少なく適度に弾力のある座り心地のため長時間の使用にも適しています。クッション材も交換をしていますので長く安心してお使いいただけます。上記したデンマーク製の生地をセレクトして張替まで済ませています。