1960年代頃のデンマーク製ライティングビューロー
微笑みを浮かべたかのような抽斗把手のデザインが醸し出す優しげな印象。
正面の縁取りには立体感を設けてくっきりとした輪郭が浮かび上がる。
脚同士を繋ぐ幕板部材にはくびれのデザインを取り入れて、また抽斗フロントにもふっくらとした曲面を施すなど、上品で優美な佇まいを宿している。
細部までそのデザイン性に凝った造りを楽しむことが出来るのだが、それよりも何よりも正面の扉から最下部の抽斗まで、きちんとチーク材の木目を繋げて作ってくれている。
揺蕩うようなその自然のリズムからは、他の何物にも代えがたい穏やかさと言いますか、余裕のある雰囲気を感じられていて、改めてそんなところがデンマーク家具の良いところなんだと思います。
床からビューロー天板までの高さ:705 ㎜
抽斗内寸:幅830 奥行き340 深さ120 ㎜
ビューロー使用時の天板奥行き:手前から蝶番まで→約310 ㎜ / 蝶番から背板まで→約370 ㎜
他、細かい寸法等はお問い合わせ願います。
Condition
木部はほぼすべてのパーツを解体してから、洗浄→サンディング→オイル塗装と再仕上を施しました。
正面向かって右側面に少し、打痕や擦り傷も散見出来ますが、大きく雰囲気を損ねるほどではなく全体的には良いコンディションです。
脚部ぐらつきのあった箇所は解体し古い接着剤を除去後、圧着修理を済ませています。
真鍮製の鍵は新規に作成し直しました。
特記事項として2つ。
1:ビューロー天板を支えるための支柱が抽斗の上部に格納されているのですが、その下の梁部材が少し弓なりに反ってしまっています。抽斗の開閉には障りはないのですが、天板を支えるための支柱を仕舞う際に少しだけ干渉します。
写真最後から5枚目にて反りの様子が判ると思います。
2:ビューロー天板の右手前付近に材の膨らみが見受けられました。写真最後から3枚目にて様子を確認して頂けます。
それぞれ使用には障りはありませんので、そちらご安心ください。
コンディションについてのご質問などございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。