Hans J Wegnerによる『GE236』3シートソファ。
ウェグナーのソファを現代でも製造し続けているGETAMA社による作品です。
1955年に発表されたこちらのGE236ソファは、実は今でも尚製造の続く人気のモデル。それでもクッションにスプリングを内蔵したこのモデルはヴィンテージだけで楽しめる座り心地となっております。
ゆったりとした座面スペースは傾斜も少なく、座るだけでなく体を横にすることも容易い。アームまでをも張り包みとすることで、数あるウェグナーの作品の中でも安楽性を重視したソファであると思われます。
ファブリックの占める面積が多いですが、バックスタイルの眺めが美しく、北欧家具らしい木の温かみを存分に愉しむことが出来る。簡素なようでいても、細部まで一切妥協のない、改めて素晴らしいデザインです。
ファブリックには今回もDanish art weaving社のウール100%の生地『Highland』からセレクトをして、新規に張替を行いました。
写真で見ると白っぽい色に見えると思いますがとてもニュアンスのある優しい色合いで、素敵なファブリックです。
一言で表すと「グレーとベージュを織り込んだ生地」なのですが、そのグレーも実は濃淡のあるブルーで、ベージュもまたブラウンや時にピンクがちらちらと見えるような気がしてくる。一応アップの写真も載せましたがこればかりはJ実際の色を見て頂きたい。『Highland』という生地の54番のカラーです。参考まで。
Condition
オーク材を使用した木部フレームは全体、古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してから蜜蠟ワックスにて再仕上を行いました。木部先端などに幾つか小さな欠けもございましたが、古いオーク材を使用して成型補修を行い、どれもさほど目立たなくなっています。ヴィンテージとしてはとても良いコンディションに仕上がっています。
シート内部にはスプリングが内蔵されています。バネの調整や、また弾力を向上させるためにバネの間に綿を充填するなどしっかりとメンテナンスを行いました。バネ廻りのウレタン材も新規に交換済み。上述したファブリックで新規に張替も済ませています。
シートの下に張られたSバネは可能な限り錆などを落とし、メンテナンスを行いました。
またそのバネとクッションとの間のキルティングの生地は、状態は良かったのですが使用感もあったため、弊店にてクリーニングを行いました。表面に小さなほつれがあったところはかがり縫いをして補強(3か所)また裏面のバネと直接当たる箇所のほつれにはキャンバス地のテープを貼って補強をしました。(2か所)
より詳細のコンディションについてを希望される場合にはご案内しております。お気軽にお問い合わせ下さいませ。