1960年代頃のデンマーク Ølholm Møbelfabrik製 ライティングビューロー
細部に至る一つ一つの意匠も美しく目を惹かれますが、何よりもチーク材の素材感を一番にデザインされた作品だと感じました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、この年代の特に箱モノの家具では無垢材ではなく表面に化粧板をあしらった合板で構成された家具が多く、同様にこちらの家具も概ね合板で構成されています。
しかし合板の仕上げではあっても、淵廻りにしっかりと厚みのある無垢材をあしらうことで合板であることを感じさせにくいよう工夫がされている。写真だけでは判りづらいかもしれませんが、間近で見ても表面の化粧板と淵部無垢材との継ぎ目を見つけることが出来ないほどで、その丁寧な造りには本当に感心させられました。
無論、合板が悪いということではなく、また無垢材こそが至上ということでもありません。
ただそれでも、無垢材だからこそ感じられる質感や素材感といった魅力があることも事実であって、その魅力に最大限近づけるようにと、高い製造技術と造り手たちの想いによってデザインされたのだと感じさせられました。
特にデンマークは超福祉国家として知られる北欧諸国の中でも最もと言っていいほど資源が乏しく、また当時から希少且つ高価であったチーク材などを有効活用する手段として合板の技術は多く利用されていました。
少ない資源でより多くの良質な製品を供給することは、その当時のデンマークのデザイナーたちに与えられた最大であり唯一の課題でもあったことでしょう。
私たちが普段から魅了されているデンマークデザイン。その根源や核に当たる部分を改めて示してくれたように感じました。
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:鏡について:
上段開き戸の裏には本来鏡が設置され、扉を開いてドレッサーとして使用することが出来ます。
ただもともとの鏡に腐食があったため、現在新しい鏡を作成して頂いております。
写真撮影には間に合いませんでしたが数日中に納入される予定です。鏡が完成次第、そちらの写真は差し替える予定ですので、何卒ご了承くださいませ。
鏡サイズ:W305 D355(㎜)
:ビューロー天板:
天板を引き出して作業机としてもご使用いただけます。
天板を引き出した際のサイズ:W800 D375(㎜)
床から天板までの高さ:710(㎜)
:抽斗内寸:
上段:W770 D380 H100(㎜)
中段&下段:W770 D380 H115(㎜)
Condition
チーク材を使用した木部は概ね全体を、古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を行いました。
小傷等も注視すれば散見出来ると思いますがほぼ目立つダメージはなく、とても良いコンディションに仕上がっています。
抽斗内部底板もクリーニングを行い、安心してお使い頂けると思います。
上述していますが現在、鏡だけ新規に作成中です。近況等ご質問ございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。