1940年代頃のデンマーク FRITZ HANSEN(フリッツハンセン)製のチェア
デザイナーは判別できませんが、チッペンデール様式を簡素にモダンデザインへと仕立てた装いが1930年代頃より同社とも協力していたコーアクリントのレッドチェアや、そしてまた創業者フリッツハンセン氏が1878年に発表したファーストチェアなど様々な系譜を想起させる良いデザインです。製造から70年以上経てなお時代を感じさせない普遍的なスタイル。これから先の世代へもしっかりと引き継いでいきたいと願います。
木部にはアッシュ材(タモ材)が使用されている。
1950年代以降はローズウッドやチークといった銘木を使用した家具がデンマークでは主流になっていくが、その一つ前の時代。戦時中、もしくはまだ戦後間もないこの時代においては物資も大きく不足していたようで、身近で手に入る木材、このアッシュ材をはじめオーク材、ビーチ材、バーチ材、パイン材などを使用した家具製作がデンマークでも多かったようです。
[座り心地]
背板のカーブはさほど大きくなく、試す前は板っぽい背中の当たりかなと思っていましたが、腰から背中の上の方まで広く支えてくれることもあって案外心地良いです。背板が骨に当たる嫌な様子は感じませんでした。
座面の奥行きは深過ぎず、腰をつけて姿勢を正してしっかりと座れます。
[ファブリック]
デンマーク Danish Art Weaving製の[Urd stripe]柔らかいグリーンに白ストライプの生地を採用して張り替えました。
[在庫について]
こちらの椅子は木部メンテナンス前、張替前の同じ椅子が倉庫にまだ複数脚ございます。
今回販売は1脚または2脚セットですが数が必要な場合や異なるファブリックで張り替えたいなど、何かご希望ございましたらお気軽にご相談ください。
Condition
木部フレームは全体古い塗装を洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を済ませています。
小傷程度はございますが大きく雰囲気を損ねるほどのダメージは無く良いコンディションです。
接合部に緩みのあった箇所は全て解体して圧着修理も済ませています。
2脚のうち1脚の個体に、前脚と後ろ脚とを繋ぐ貫部材に捻じれが見受けられます。こちら使用には障りませんが考慮して価格を設定しています。写真にてご確認下さい。
Daily care
普段のお手入れは、柔らかな布やブラシなどで埃を払う程度のお掃除が基本
たまに風通しの良い場所に置いてあげたり、お部屋の空気を入れ替えるなど清潔な環境を整えることが大切です。
【木部のお手入れ】
乾拭きをすることで表面に残る油分や蝋分が磨き上げられて艶が増す効果が期待できます。
定期的にワックスやオイルを塗布して保湿ケアも心掛けてあげてください。
普段は乾拭き、落ちきらない汚れがある時に固く絞った水拭きを施すなど、塗装表面に負担の掛からないよう様子を見ながら段階的なケアが望ましいです。
【シートのお手入れ】
ウールが主体の生地を使用しています。普段はブラッシングなどで付着物を払い落し、繊維の流れを整えてあげることでウールが備えている防汚性能を維持することが理想です。
ブラッシングでは落ちない汚れが付着した際には乾いたタオルや柔らかな布などで軽く叩いて吸い取り洗い→ぬるま湯を固く絞ったタオルによる叩き洗い→中性洗剤を薄めた叩き洗いなど、こちらもやはり生地に負担が掛からないよう様子を見ながらの段階的なケアが望ましいです。
日常のお手入れ方法もお気軽にご相談ください