1960年代頃のデンマーク製サイドボード / サイドチェスト
本体にチーク材、脚部に材色明るいビーチ材を使用して色のコントラストが効いています。
スウェーデン製のデザインにも感じますが、ディーラーの説明に沿っておくことにします。
直線的な設計の中に丸い抽斗把手デザインが愛嬌があって良いです。慎ましくもアシンメトリーの配置が整然としすぎてなくて好感があります。ものすごくマニアックなポイントですが、天板と側板との接合は凹凸なくフラットに組まれていて、クラフトマンシップを感じ愉しむことの出来る丁寧で造りの良い作品です。
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今回家具の仕上げのこだわりとして、抽斗の底板にこだわりました。
5杯ある抽斗の内3枚の底板にダメージがあったため、底板の交換を検討したのですが
これまでは交換が必要な底板が例え3/5であったとしても、5/5全ての底板を一緒に交換していました。
その理由は、単純にその方が見栄えが良いからで、それはそれで別に悪いことではありません。
それでも、2/5は今このタイミングで交換をしなくても別に良かったわけで、特に現代においては「今」この時点だけでなくて、この先へと続く将来への時間軸ときちんと向き合って、私たちの行動が在ることが望まれていると思いますので、その判断は個々人の好みや思想に委ねられていくのでしょう。
私たちで扱っている家具は、数万円~数十万円とするそれなりに高価な商品です。例え中古であるとはいえ、販売する私自身がみすぼらしいと感じるようであればそのような価格を設定することは憚られる気がいたします。
家具を再生する上でなにより大切なことは、この先に続く次の使い手の方が安心して気持ちよく使用できること。そして長く愛着を持てること。さらに言えば、繰り返しのメンテナンスが可能となるよう丁寧な仕事を心掛けること。
これらをクリアすることも決して容易なことではありませんが、それらと並行してもっともっと自由な発想で家具の再生、メンテナンスに取り掛かっていくことも大切なのかもしれません。
濃いグリーンの底板はこの家具のオリジナルの底板です。
淡いグリーンの底板は、以前交換しなくても良いのに私が交換した、まだまだ十分使用できる底板から再利用しました。
この色違いも見慣れると結構可愛い。
Condition
チーク材の本体、ビーチ材の脚部は古い塗装や汚れを剝離洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上をすませました。脚部の普段はあまり見えない後ろ側に打痕などございますが、見える範囲では大きく目立つダメージはなく良いコンディションです。
引き出しの底板は上述したようにオリジナルと再利用した底板です。汚い印象はありませんが小傷程度はございます。
詳細等ご入用でしたらお写真などお送りしますのでお気軽にお問い合わせ下さい。写真の送付はメールでも構いませんがLINEだと簡単なので是非ご活用ください。