1960 年代頃のデンマーク製4段抽斗のチェスト
北欧のチェストは抽斗が浅いとよく言われる。無論深いものもあるのだが、こちらのチェストも抽斗深さは約11㎝弱(細かくは10.7㎝ほど)である。
これは何故かと考えて一つの推論を述べるが、薄手の衣類等を仕舞う目的が大きかったのではないだろうか。
とくに冬場の北欧はとても寒い。そのため皆防寒をするのだが、外に比べて室内はしっかりと暖をとっている。そのため彼らの衣服を見ていても外出時にはしっかりとしたコートやジャケットを羽織るが、脱げば薄手のセーターやシャツなど案外軽やかな格好で室内では過ごしているようだ。
厚手のジャケットやコートは別のクローゼットへ、そして薄手の衣服を仕舞うのにはこれくらいの抽斗深さが丁度良かったのかもしれない。というのは推論なので今度デンマークへ行く機会があれば訊ねてみようと思う。次はいつ行けるだろうか。
そのため衣服の収納としてもちろん良いが、折角のヴィンテージ家具。リビングダイニングなど日常目に触れる場所に据えてサイドボードとしての使用もお勧めです。浅い抽斗のため身の回りの小物など整理するのにとても適していますし、腰高の天板上スペースにはお花を飾ったりお気に入りのオブジェやコレクションを並べて楽しんでも良いかもしれません。
木部はチーク材。ヴィンテージならではの色艶がとても良い雰囲気です。シンプルなデザインのようでも個性的な抽斗把手デザインがミッドセンチュリーの様子を感じられて気に入っています。華奢な丸脚や丸みを持たせた本体淵部デザインには繊細さと温かみを感じられます。細部まで凝った造りの良い一台です。
【抽斗内寸】
幅705 奥行き350 深さ107㎜
Condition
チーク材を使用した木部は全体洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を施しました。
天板上にやや水染みの痕がぼんやりと残っています。染み痕の大きさと位置から推測するに花瓶など置いていたようです。濡れた環境のまま放置しますと同様に水染みなど起こりますのでご注意ください。花瓶などを据えるときにはプレースマットなどを敷くなど直に接しない工夫、また花瓶の底に水滴など付くようであれば拭いてあげると良いでしょう。
使用の痕はございますが、古い家具が積み重ねてきた歴史の一部としてご理解を頂けましたら幸いです。
抽斗内部はクリーニングを行いました。底板の汚れなどは薄く研磨を施して処理しています。安心してお使い頂けると思います。
より詳細のコンディションについてを希望される場合には確認いたします。お気軽にお問い合わせください。