1960年代頃のデンマーク製チェア

スタンダードなデザイン。繭のような柔らかな曲線を模った背凭れの造形がとても印象的で、これぞ ”the 温かみのある北欧デザイン” と言わんばかりの佇まい。背凭れにだけチーク材を用いることで、やはりまず視線はこの背凭れに集まるよう。この椅子のシンボルとしてしっかりと主張を宿しています。後ろ姿もちゃんと美しい。

サイズは決して大きくないはずですが、座ってみると思いの外ゆとりを感じます。背凭れに施した曲面や僅かに傾斜した後ろ脚、そしてシートの角度など。一つ一つがきちんと計算されていて、バランス良くまとめられています。

脚部フレームのオーク材は真正面から眺めると線がとても細く、この椅子の繊細な印象に大きく貢献しています。視線を少し動かしてみればオーク材特有の虎斑模様がきらきらと揺らめいて、素材の深みをじっくりと感じ、愉しむことが出来ます。

今回シートにはDAW社 ウール100％の生地：Royal 17 をセレクト。この生地はSAS ロイヤルホテルで使用されていることでも知られていますが、すっかり春らしく暖かくなってきて、この爽やかな色についつい惹かれてしまいました。