家具を探すとき、まず何から考えていくだろうか?
サイズだろうか?それとも木の色だろうか?デザイン?価格?、、、??
古い家具であれば状態の確認も大切だろう。最近では何を買うかだけではなくて誰から買うか、みたいなことを大事にされている方も多いようで、そんなときにちゃんと選んでいただけるお店を目指していきたいな、とか。話が逸れた。
とにかく、家具を探すとき、家具で無くても良いか。何かを探すとき、それぞれ何かしらの条件を掲げてそれに見合うモノを探していく。条件と完全に合致することもあるだろうし、条件にいくつか優先順位をつけて少なからず妥協も受け入れて。そしてコレ!と思うモノを購入して迎え入れたら、そこから話が始まっていく。
商品は購入して終わりではない。迎え入れてようやく、共に過ごす生活が始まる。
もちろん購入に際してイメージを膨らませること、条件を絞りに絞って考えていくことはそれなりに希望を叶えるだろうし、決して無駄なことにはならない。
賢い買い物術/失敗しない買い物術、みたいなフレーズもよく聞くし、やはり備えあればなんとやらと思う反面その賢いとか失敗しないというのはどれくらいの時間軸で判断しているのだろうか、なんてことをふと気にしてしまう。
だって私たちの生活は日々変化をしていくのだから。分かり易いところではライフステージの変化に伴って家族構成が変わるかもしれない。住まいが移るかもしれない。仕事環境の変化で家にいる時間が増えるかもしれない。新しい趣味が見つかるかもしれない。
環境が変わることで自身の内外を取り囲む価値観が変容してくことは多くの方がこれまでに経験したことであるだろう。だから、これまでのイメージや理想と「今」とを比較して賢いとか失敗などを判断することはもちろん出来ても、それが何年か先にも同じかどうかは結局誰にも知ることは出来ないのだから。現時点で賢かった、と思えても何年後かには違う風に思っているかもしれないし、反対に現時点で失敗かな?と思ったことも、いつしか思いもよらない魅力に気付く時が訪れるかもしれない。イメージや理想を掲げることは大切だが、ある程度の曖昧さを認めておくこともすごく大切な気がしています。
1960年代頃のスウェーデン製チェスト
たぶんこのチェストの最大の売りは絶妙にコンパクトなこのサイズ感ではないだろうか。ちょっとしたスペースに丁度良いしちゃんとそれなりに収納が出来るし。別に特徴らしい特徴があるわけではないが、何となく使い勝手が良くて、と。
そんな風にして毎日顔を合わせているといつしか細部にまで目が通うようになっていく。やがて一日の時間の中でも様々な表情をみせることに気が付くだろう。そうして付き合いを深めたその頃になってようやく、今はまだ知らないこの家具の魅力に出会えるのかもしれません。
Condition
本体木部/脚部は古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイル塗装にて再仕上を施しました。
抽斗内部底板はもともと色のついた仕様でしたが塗装に痛みも多く、淡いグレー色にて塗装し直しています。
天板に小さな打ち傷、擦り傷、染み痕などいくつか散見できます。汚い感じはさほどありませんが、古い家具の味わいとしてご理解を頂ければと存じます。
がたつきなどもなく安心して使用できます。
Daily care
普段のお手入れは、柔らかな布で埃を払う程度のお掃除が基本
配置によってはたまに風通しの良いよう向きを変えてあげたり、お部屋の空気を入れ替えるなど清潔な環境を整えることが大切です。
【木部のお手入れ】
乾拭きをすることで表面に残る油分や蝋分が磨き上げられて艶が増す効果が期待できます。
定期的にワックスやオイルを塗布して保湿ケアも心掛けてあげてください。
乾拭きでは落ちない汚れがある時に固く絞った水拭きを施すなど、塗装表面に負担の掛からないよう様子を見ながら段階的なケアが望ましいです。
水拭きを頻繁にすると表面の乾燥を促してしまうため、定期的な保湿ケアを推奨します。
日常のお手入れ方法もお気軽にご相談ください